製造工場内では製造工程上温度管理が必要になっているものも少なくありません。
例えば、電子機器に使われているプリント基板は電子部品を固定するために半田を使っていますが、半田は一定の温度で溶かしてプリント基板に半田付けするなどが必要です。さらに、プリント基板に使う半田は環境に優しいと言われている無鉛半田と鉛が入っているものがあり、鉛が入っていないものは融点温度が高めになっているので同一の半田槽を使うことができません。温度管理を行う時には作業員が温度計を使って計測する、温度が高い時には設備機器の温度調整を図るなどが必要です。
温度計の中にはセンサータイプになっているものもあり、センサーが温度を監視して、設定されている温度よりも高くなっている時には下げる、逆に低い時には設定値まで上げるなど、人の代わりに監視を行っているものもあります。但し、センサーだけに頼っていると故障などにより正常な動作が行われないこともあるため、定期的な温度計を使った計測は必要と言われています。
半田の温度が低過ぎるとプリント基板への定着が悪くなってしまい、廃棄処分をしなければならなくなりますし、逆に高すぎるとプリント基板だけでなく実装している電子部品を熱破壊させてしまうなど、この場合も不良品になるので廃棄処分が必要になるわけです。センサーを利用すると同時に、温度計を使ってセンサーが正常に動作しているのかを確認することも温度管理の一つです。