センサー式の温度計にもいろいろなタイプのものがありますが、簡易式として、温度の変化に応じて色がついたり、あるいは色が変わったりするタイプのものを見かけたことがある人もいるでしょう。
多くは紙ラベルのような薄さで、壁などに貼ったりして用いられています。周囲の温度に応じてその温度を示す色がついたりすることで、視覚的にも分かりやすく温度を示せるようになっています。見た目には本当にただの紙というかテープ、フィルムのように見え、温度計としてどんな仕組みのセンサーになっているのか不思議に思う人もいるはずです。これは複数の原理があり、タイプによって異なりますが、温度に応じて起きる何らかの物理反応、あるいは化学反応を利用していることが多いです。
あくまで説明のためのイメージですが、不透明な氷でも、0℃で融解して透明な水になります。このような固体と液体の相転移というのは温度計センサーとしての一例であり、この他にも例えばある温度で結晶構造が変化するとか、化学組成が変化すること、結晶水がくっついたり離れたりするといった原理を利用しています。
メリットとしては、先にも述べたように薄いテープやフィルムのような形で使えるために、場所を選ばないことが挙げられます。一方、感度的には決して敏感ではないものも多く、細かく温度を把握するのには向いていないことが多いです。場合によっては10℃単位程度でしか把握できないものもあります。