食品の温度を測る時に使われる温度計は、製造工程で利用されています。

接触式のものはセンサーが食品に直接接触します。このような状況では衛生的な面で注意が必要です。食品は微生物の繁殖によって食中毒のリスクが高まります。そのため常に清潔に保つ必要があり、温度測定についても同じことが言えます。温度計のセンサーは測定のたびに対象物の表面や内部に接触することになります。表面に触れた部分には何らかの残留物があり、次の測定まで放置される恐れがあります。

その間隔が長くなると、微生物の繁殖が始まります。目に見えるような変化ではないため目視で確認することは不可能です。製造工程中のセンサーはとても不潔なのでそのまま放置することはできません。都度消毒するか、交換するなどの措置が必要です。安全や品質を守るために使われる温度計が菌の繁殖の原因位なっては意味がありません。測定するまでは消毒薬につけておくような措置も有効です。金属を消毒すると、劣化する恐れもあります。

センサーには滅菌して使うものもあります。ある程度のロットで使用して、再使用せずに廃棄するか再滅菌を行います。滅菌は菌がいないことを程度として保証するもので、限りなく無菌に近い状態となります。ここまでの管理がされていれば、毎回消毒するまでの管理が必要ないかも知れません。その可否はコストとリスクによって決定することになります。その後提供される顧客の安全性が担保されるギリギリのところが企業が目指すゴールと言えます。